FRP(繊維強化プラスチック)防水とは、ガラス繊維マットを敷き込んだ上に不飽和ポリエステル樹脂を塗布し反応硬化して皮膜を形成する防水です。あらかじめ成型したユニットを現場で設置する工場成型品と、現場で施工する塗膜防水タイプの現場施工型とに大別されます。FRP防水は、耐水性、耐薬品性、耐摩耗性に優れるため、建築防水では主に現場施工型の塗膜防水タイプがバルコニーや厨房床で採用されています。
ウレタン塗膜防水は、ポリイソシアネートを主成分とする主剤と、ポリオールを主成分とする硬化剤を現場にて攪拌し、躯体に塗布して施工する防水です。不定形材料のため下地の形状に馴染み易く、水密性の高い連続皮膜が得られるため、屋上をはじめとした各種部位への防水に適しています。
・ゴムシート防水
加硫ゴムシート防水は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)とIIR(ブチルゴム)をブレンドし加硫剤を添加しシート状に成型した加硫ゴムシートを、接着剤で下地に固定する防水です。シートそのものは安定した分子構造を持つことから、伸び率も高く、耐候性に優れますが、シート相互の接着は、接着剤と粘着テープによるのでアスファルトや塩ビのように溶融一体化しないといった特徴があります。
・塩ビシート防水
塩ビシート防水接着工法とは、塩化ビニル樹脂に可塑剤、充填剤、などを添加し補強繊維を積層して成型した塩ビシートを、接着剤にて下地に固定する防水です。塩ビシートの特徴としては、ラップジョイントなどのシート相互間を溶融一体化できる、単層防水のため工期が短い、シート同士は熱風で溶かして一体化できる、意匠性に優れる、などが挙げられます。接着工法の特徴としては、軽歩行が可能である、大掛かりな施工器具を必要としない、などが挙げられます。工期の短いS造の建物や、戸建住宅、小面積の屋上などで多く採用されています。
・アスファルト防水
アスファルト防水熱工法とは、アスファルトルーフィングやストレッチルーフィングを260〜280℃で溶融した防水工事用アスファルトで貼り重ねながら施工する工法。日本の建築防水では100年以上の歴史を誇り、主要建築物の多くがこのアスファルト防水熱工法で施工されてきたため、「本防水」といえばこのアスファルト防水熱工法を指す。密着仕様とは、下地に防水層を全面密着させる仕様であり、アスファルト防水では押えコンクリート仕上げの「押え防水」や、室内防水(厨房・浴室など)などに採用される。近時、アスファルト臭が敬遠される傾向があるが、アスファルトコンテナ(ACS)による搬入や、密閉式の溶融釜、低臭型アスファルトの採用により環境の改善が進んでいる。